薬学部薬学科
創薬において、副作用の軽減やバイオアベイラビリティーの改善の目的で化学修飾させたプロドラッグを開発することがある。このプロドラッグの開発においては、生体内の主要な変換酵素であるcarboxylesterase (CES)の種差、臓器差が大きな問題となっているため、実験動物のデータをヒトに外挿する際に注意が必要とされる。本研究室では、この問題を解決するために、このCESについて、ヒト、カニクイザル、チンパンジー、ビーグル犬、ラットおよびマウスの異種細胞発現系を構築しており、この細胞系を用いることにより、種差の原因を解明することが可能になる。また、本酵素の臓器特異的発現に関連する因子の検討も行っており、ヒトにおける臓器特異的発現調節機構の差異やヒトと哺乳動物間での小腸、腎臓、肝臓における発現の差異についても研究しているため、薬物動態パラメーターを比較することでプロドラッグの開発に有用な情報を与えることが可能となす。