薬学部薬学科
我々は、ごく最近、カルボキシル基とアミノ基の縮合反応に関して簡便かつ安価な方法を見出した。本手法はカルボキシル基をクロロ炭酸エチルで活性化する混合酸無水物法であるが、この混合酸無水物が水に対して安定であることを発見し、以下の3反応を開発した。 1)N保護アミノ酸+無保護アミノ酸→N保護ジペプチド 2)N保護アミノ酸+塩化アンモニウム→第1級アミド 3)N保護アミノ酸+アニリン誘導体→アニリド(アセトアミノフェン類縁体)
本手法の利点は低温で反応が進行し、吸湿性の高いアミンを水溶液として用いることができ、かつラセミ化およびエピメリ化が進行しないため、コストおよび製造面で問題があった医薬品を安価に提供できる可能性をもつ。現在は本手法を利用した全く新しい医薬品の開発を目指している。