中枢神経系は主に神経細胞とグリア細胞によって構築されていますが、グリア細胞の一つであるアストロサイトは、細胞外液の恒常性維持、神経伝達物質の代謝など中枢神経系において重要な役割を果たしています。

メチル水銀がアストロサイトへのグルタミン酸(興奮性神経伝達物質の一つ)の取り込みを抑制することは古くから知られており、このようなアストロサイトの機能障害がメチル水銀による神経障害の発現や増強に関与しているのではないかと考えられています。

私たちの研究室では、培養アストロサイトを用いて、メチル水銀がアストロサイトの形態を突起が伸びている星状から突起のない石垣状に変化させる1) ことを見出し、このアストロサイトの形態変化がメチル水銀の曝露量に依存している1) ことやこの形態変化にRhoA/ROCKシグナル経路が関与している2) ことを明らかにしてきています。

メチル水銀が形態を変化させることによりアストロサイトの機能がどのような影響を受けるのかを今後明らかにしていきたいと考えています。

 

1) Adachi T, Shimizu H, Kawasumi K, Suzuki Y, Hayashi T, Tsurusaki R, Watanabe Y, Iwasaki M, Yanagisawa Y, Yasuda I : Dose-related difference and involvement of tyrosine phhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/bpbreports/6/6/6_200/_articleosphorylation in methylmercury-induced morphological change in cultured astrocytes obtained from rat cerebral hemisphere. BPB Reports, 6, 16-20, 2023.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/bpbreports/6/1/6_16/_article

2) Shimizu H, Aoki W, Fujieda T, Adachi T : Involvement of Rho in methylmercury-induced morphological change in cultured astrocytes obtained from rat cerebral hemisphere. BPB Reports, 6, 200-203, 2023.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/bpbreports/6/6/6_200/_article

 

投稿者:足立