金 東仁

【魚の健康を守る科学的アプローチ】水産学および養殖学を基盤に、水生動物の健康管理に関する研究を進めています。特に、養殖業や水族館における魚類の病気予防や健康診断を、より効率的かつ科学的に行うための手法開発に取り組んでいます。韓国では、水産動物の病気診療を専門とする国家免許「水産疾病管理士(Aquatic Animal Disease Inspector)」を取得しており、この知識と、日本国内の大学附属水産実験所での実践的な経験を活かしながら、研究を展開しています。具体的には、魚の組織病理学的な病気診断、代謝測定による健康状態のモニタリング、ゲノム解析による病気耐性の評価など、多角的な診断技術の開発に取り組んでいます。これらの取り組みは、魚の個体ごとの健康状態をより正確に把握し、病気の早期発見・予防につなげることを目指したものです。【水生動物の進化と環境適応の理解】水生動物の進化や多様性に関する研究にも力を入れています。とくに、生理生態学的な視点から、自然界における「食う−食われる」関係に注目し、捕食・被食の関係性における行動的・生理的な適応戦略を明らかにすることを目指しています。また、水温・酸素濃度・水質といった環境の変化が、魚類の代謝、免疫、遺伝子発現などにどのような影響を及ぼすのかについても解析を進めています。これらの研究を通じて、気候変動や水質悪化などの環境ストレスに対する水生動物の適応メカニズムを解明し、持続可能な水産業や生態系の保全に貢献することを目指しています。
所属 | 危機管理学部 動物危機管理学科 講師 |
---|---|
学位 | 博士(水産遺伝育種) ( 東京大学 2020年 3月 ) |
専門分野 | 水産生命医学(魚病学) 、水産生理生態学 、水産遺伝育種学 |
学歴・職歴 | 2011年8月(韓国)国立釜慶大学 水産学部 水産生命医学科 卒業(理学士) 2012年10月~2013年3月 九州大学 生物資源環境科学府 資源生物科学専攻 附属水産実験所 研究生課程 修了 2013年4月~2015年3月 九州大学 生物資源環境科学府 資源生物科学専攻 附属水産実験所 修士課程 卒業(農学修士) 2015年4月~2020年3月 東京大学 農学生命科学研究科 水圏生物科学専攻 附属水産実験所 博士課程 卒業(農学博士) 2020年4月~2020年5月 東京大学 農学生命科学研究科 水圏生物科学専攻 附属水産実験所 農学特定研究員 2020年6月~2024年10月 近畿大学 水産研究所(白浜実験場) 博士研究員 2024年11月~現在 千葉科学大学 危機管理学部 動物危機管理学科 講師 |
主な担当科目【学部】 | 動物学、動物福祉論、生物多様性保全学、教養ゼミナール、銚子学、動物行動学、動物園動物管理学、生態学、危機管理学入門、危機管理学入門Ⅱ、動物危機管理入門Ⅱ、動物危機管理演習Ⅰ、動物危機管理演習Ⅱ、動物臨床検査学実習Ⅰ、動物危機管理実習、動物実務実習、動物適正飼養実習、水生動物学実習Ⅰ、水生動物学実習Ⅱ |
主な論文・著書 | 学術論文
|
所属学会 | 水産育種研究会、日本水産学会、韓国水産学会 |
資格 | (韓国)水産疾病管理士(2016)(国家免許:第579号) American College of Veterinary Emergency and Critical Care, RECOVER CPR Training & Certification(2018) |
その他 | 【外部資金】 ・国立研究開発法人 JST A-STEP 産学共同(本格型) ・国立研究開発法人 JST 未来社会創造事業 ・岩谷国際留学生研究助成金 岩谷直治記念財団 ・スーパーグローバル大学創成支援事業 文部科学省 ・(韓国)国家理工系奨学生 韓国政府 【地域・社会活動】 ・企業講演活動 ・日韓産学官交流活動 【学術貢献活動】 ・Physiological and Biochemical Zoology University of Chicago Press(2022年6月)査読・審査 |