教職課程
近代科学はそもそも,既存の学問的権威の外側で生まれました。そこで,科学黎明期の1600年代から1800年代にかけては,科学者という職業はなく,科学研究は,アマチュアたちによる〈知的なたのしみごと〉として行われました。科学教育もまた,1700年代にはコーヒーハウスや街角といった学校の外で,巡回科学講師と呼ばれる人たちなどによって,行われていました。
その時代,科学を学ぶことは権威や出世とは無関係でした。純粋に知的なたのしみごと=エンターテインメントとして行われていたのです。本来科学教育は本質的に楽しいものであるはずなのです。
そういった,本来の知的エンターテインメントとしての科学教育を受け継いでいる授業理論が1963年に板倉聖宣氏(国立教育政策研究所名誉所員)が提唱した仮説実験授業です。
この仮説実験授業に基づく科学講座を実施し,知的エンターテインメントとしての科学教育を現代に復活させる試みや教材開発を,NPO法人楽知ん研究所の活動に参加しながら,研究しています。